海上釣堀テクニック

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海上釣堀の選択、海上釣堀タックル、海上釣堀の餌、海上釣堀の棚、海上釣堀の釣り座、海上釣堀テクニック、のカテゴリーで紹介します。

「はじめに」・・・・・
 海上釣堀・・・このカテゴリーからネットで検索すると三重県に特に多いようです。 リアス式海岸の恩恵を受け、比較的穏かである事がこの地に多い要因でしょうか? 他に三重県は、鯛の養殖漁獲量第4位など対象魚の養殖業があったり、他県から仕入れるにも輸送の動線やコスト面でも便宜性があるものと思われます。 私が良く出掛けるのも、そのアクセスから三重県、そして福井県になりますが、他に愛知、静岡、関西地方にもあるようです。 もちろん、インフラが整っても需要者が無ければ成り立ちません。 東海近県では内水面を中心に活動するアングラーも多いので、河川のオフシーズンを中心にアクセス範囲内にあるのが需要に繋がっている背景もあるものと思います。 手軽に海の高級魚の釣りが楽しめ、そして自分で釣った魚全てを持ち帰り、スーパーで売られている魚より新鮮に食せるという2つのメリットが魅力的で、人気のある釣堀は休日などは1カ月以上前から予約しないと確保出来ない釣堀もあります。 昨今は正月を控えた年末の予約競争が高まり、釣堀による予約ルールもありますが、常連さんなどは年末に行った時点で来年末の予約を確保している例もあるようで、少なくとも半年くらい前には予約しないと年末の予約は確保出来ないようです。 私も仕事納めの後に正月用の刺身確保を理由にして、その年の釣り納めとして出掛ける事があります。 広大な海というフィールドを対象としているアングラーにとっては、たかが海の管理釣堀に過ぎませんし、「同じ金額を出せば乗合の船釣りも行けるぞ」などと思われても仕方ありません。 ただ、ビギナーからエキスパートまで手軽に楽しめる点と、海上釣堀という枠の中にもアングラーのレベルによって結果に差が出る奥深い点があるのも事実、熱心に研究して通っている人は、毎回一人では持ちきれないほどスカリ満タンの釣果を出す人も存在します。 実際、私の周りにも勤めを引退した世代の方々で、金銭的にも余裕があるのでしょう? 季節問わず、毎月幾度と通うほど海上釣堀の世界にどっぷり浸かって趣味としている人も実在します。 私はトラウトを狙うには自然のフィールド専門で、管理釣り場は行きませんし興味もありませんが、トラウトの管理釣り場に通うアングラーにも、その世界観の中で極めたい気持ちは共通する部分があるのでしょう。 まっ、釣りは手軽に出来るものから自然に立ち向かうものまでありますが、個人個人の価値観の中で楽しむものであり、他人に迷惑をかけず個人が楽しければ他人がとやかく言う事では無いと私は考えます。
 約20年前、河川のオフシーズンの楽しみとして勧めてもらった海上釣堀、以来一つでも多くのアタリを感じ、一つでも多くの結果に繋げたくて、これまでに私なりに研究してきた海上釣堀の楽しみ方、そして何より少しでも多くの結果へと導く為の個人的考えとその方法について、前半はハード編、後半はソフト面のテクニック編として紹介させていただきます。 あくまでも、今日までの経験からの個人的主観である事と、決してベスト、完璧では無い事をご理解の上で、記載する内容の中の例え一つでも、次の釣行への参考になれば幸いです。

「海上釣堀の選択編」・・・
 数多くある各海上釣堀からどの海上釣堀を選択するか? 当然ながら個人の価値観からの選択となりますので押し付けるつもりはありません。 各個人で通い慣れた勝手都合の良い所もあれば、釣堀の大将と顔馴染みになる事もあるでしょう。 海上釣堀の種類概要として、まずは釣堀となる筏が陸から桟橋続きの所と筏まで渡船で行く所に大きく2つに分かれます。 これは海上釣堀運営者の場所確保からこのように分かれると思います。 当然ながら陸から桟橋続きの方が色々な面で便利です。 忘れ物をした場合など何時でも駐車場に止めた自家用車に戻れるのが便利です。 渡船で渡る筏の釣堀で一番困るのは、肌寒い季節などの悪天候となった場合、雨風強い日などは釣りをする集中力も無くなるほど辛いです。 各筏にちょっとした屋根のある休憩スペースはありますが、筏の4方向全てにある訳ではありません。 渡船で渡ったそこは海の上、自分の勝手都合で自家用車に容易には戻れませんので耐えるしかありません。 もちろん、運営側もこのような時は終了時間前に「早上がり」の人を想定して早い時間に迎えに来てくれたり、或いは、釣堀の電話番号が解れば連絡すると迎えに来てくれますが、船を待つ時間、船に乗って帰るまでは耐えなくてはいけません。 その点、桟橋続きであれば自分の意志で一旦自家用車や釣堀の休憩室などに避難する事も容易となります。 したがって、女性や子供も一緒に訪れるなら桟橋続きの釣堀が無難でしょう。 他、女性や子供も一緒の場合はトイレの事情も確認しておいた方がいいでしょう。
 ホームページを運営している各釣堀では、釣果情報を公開しています。 その季節に釣れる魚種であったり大きさであったり釣果数であったり、ご存じの通り、良い情報を公開しているのが現実。 しかし、過去も踏まえた直近の釣果数をよく見ると、釣堀によって数には差があるのが現実です。 傾向として、筏を多く持つ規模の大きな釣堀の方が数を伸ばせる可能性が高いと感じます。 規模の大きな釣堀は独自で魚を大量に仕入れ、卸し業も営んでいる所もあり、このような背景から魚も安価が仕入れていると思われ、その分、客にも還元していると思われます。 又、各筏でその日に釣られた魚種別の釣果をきちんと把握する釣堀が多く、釣られた分だけ補充するといった、数をきちんと把握する事で筏内の魚の数を一定にして管理している釣堀もあれば、逆に、特に各筏で釣られた数までを正確に把握せず、あくまでも放流量だけを一定にしている釣堀もあるようです。 このような釣堀はしばらく貧果が続くような事があると筏内の魚影が濃くなり、時にとんでもなく爆釣なんて事もあります。 釣堀の選択は、ある意味パチンコ屋の選択にどこか類似しているように思います。 のんびりと食べるに必要な釣果を得る事で十分な人はこじんまりとして親近感のある釣堀でゆっくりと楽しめば良いと思いますし、釣り人も多くどこか忙しくとも、爆釣の可能性を秘めた釣堀でとにかく数を釣りたい人は規模の大きな釣堀を推薦します。

「タックル編」・・・
 初めての場合や、特にこだわらなければ鯛から青物まで対応できる万能タックル1本でもいいでしょう。 各釣堀にはレンタルタックルを置いている所が多いので、それを活用すれば初期投資は少なくて済みます。 しかし、継続的に続けるのであれば最低1本は自らで用意したいものです。 更に、欲を言えば万が一の時の為に予備タックルは欲しいものです。 それなりのランクのタックルで無理なく使用する限り、ロッドが折れたりリールが破損するようなトラブルまでは無いものの、少し複雑な仕掛けトラブルが発生した場合などは、仕掛けを修復するより予備タックルに変更する方が手間も無駄な時間も少なくなります。 特に周りの皆が釣れている時間帯では尚更、仕掛けの修復に追われて時合に乗り遅れてしまっては最悪です。 各メーカーも海上釣堀用タックルをアイテムとして出していますし、東海・北陸地方の釣具屋さんでも取り扱っている所が多いです。わからない場合は店員さんに相談して購入すると良いでしょう。 最低限で重要なのは、ロッド、リール共に丈夫な物で、メンテをすればそれなりに長く使用出来る事、特にリールにおいてはドラッグ性能は重要です。 最近は安価な物でもそれなりに作られていますが、超安価でロッドとリール、ラインまでセットで販売されている商品の一部では、値段相応で繰り返し使用によって青物がヒットした時にリールが機能しない、ドラッグが破損した等のトラブルを見た事があります。 せっかくの魚を取り込めないばかりか、又新たにタックルを購入する事となれば、安物買いの銭失いになりかねませんので、コストと共に性能も考慮して購入する事をお勧めします。 ある程度習熟してきたなら、繊細なアタリも取れる「鯛用」、頑丈な「青物用」と2タックル用意したいところです。
私の場合、青物用は1タックル、ロッドは頑丈なものでリールは2500番(3000番以上でもOK)にPE3号、ハリスはフロロ4~5号で対応しています。 続いて、鯛やシマアジなどを狙うタックルは多くを持っています。 朝一番は一般的な重りを付けたタックルで素早くを棚に餌を落として探る釣りからスタートし、食いが渋い時にはPE0.6~0.8号の重り無しのフカセ仕掛けで、ソリッド穂先を装備したタックルも使用します。 他、より小さなアタリを確実に取る為、渓流用の小さな浮きを改造した仕掛けのタックルや、自分の釣り座から離れた個所に餌を落として浮きで固定する仕掛け、タックルなどがあります。 道糸については、ナイロン、PE、個々の好みで良いと思いますが、素材の特性は理解しておいた方が良いでしょう。 どちらにも海上釣堀用として1m単位でマーキングされた商品もあり、棚取りには目視で確認出来て便利です。 ただし、過去の経験から商品によって、1m単位のマーキングが正確に無い物がありました。事前にメジャーをあてて照合しておく事をお勧めします。 ナイロンは伸びる特性から繰り返し使用でマーキングが狂うデメリットがあると思われます。 又、ナイロンは水分を吸収する特性があるのでPEと比較すると劣化速度は速いと思います。しかし、伸びる素材特性であるクッション性からアタリや引きの衝撃を和らげてくれるメリットがあるでしょう。 他、素材の表面特性から浮き仕掛けなどでは、ナイロンは表面がツルツルしているので、摩擦抵抗が少なくラインを送り出し易いと言われます。 PEはナイロンの3倍以上の強度があると言われ、伸び難く感度が良いのが特徴で、細糸でも簡単には切れないメリットがあります。 しかし、擦れには比較的弱く、ヒット中に他の人とお祭りした時など、ライン同士で擦れると意図も簡単に切れてしまうデメリットもあります。 ハリスを含めたライン系統においては、誤解されている人をよく見かけます。 万が一切れた場合は何故切れたかをきちんと分析すべきで、単に、「細かった」、「このメーカーの糸は弱い」などと片付けず、切れた個所、状態を良く見て分析すべきです。 私の経験では、切れる主な要因は第一にリールのドラッグ調整の問題、第二に釣った後のハリスの点検を怠り、魚の歯で傷付いていた個所で切れるもの、第三には、飲み込まれたヒットで魚の歯で切れる・・・この3つが最も多く、トラブルの責任の多くは自らにある事が大半、特にドラッグ調整が出来ていない人をよく見かけます。 繰り返し使用で劣化したラインを使い続けるのももっての外です。 例え細仕掛けに不意に青物がヒットしたとしても、時間がかかり周りに迷惑はかけますが、ドラッグ調整を的確に行えばやり繰りは出来るもの、所詮、筏内でのやりとりに過ぎません、過去、1.7号の鯛狙いのハリス仕掛けに青物が掛ってしまい、それでもキャッチした事もあります。 リールの取り扱いに慣れてなく、ドラッグ調整を怠ったり、締めたままで忘れていて切られる光景を良く見ますし、逆に青物などをヒットさせても、ズルズルのドラッグ調整のままの為に自分は巻いているつもりでもラインを出され、終いには他の人の仕掛けにお祭りさせてチャンチャン、なんて光景も見かけます。 最初の設定は、リールから直接ラインを引っ張って、少し強く引くとラインが出るくらいの設定、実際はこれが少し弱めの設定です。あとは実際に魚がヒットした時、魚が必死になり反転して引く時にラインが出ていくくらいに設定しましょう。 ちなみに、私のハリス仕掛けは、フックとハリスがセッティングされた市販物は使用せず、それぞれフックとハリスを別購入して自らで仕掛けを作っています。 といっても、予め幾つか予備仕掛けを作るような事もありません。 ハリスは磯用などのフロロカーボン製を使用、青物に4、又は5号で、鯛用には2.5号から3号、繊細な仕掛けには1.7号も使用します。ハリスの長さは1mほどとしています。 フックはカン付きを使用、カン付きを使用する理由として、例えば飲み込まれた時などは口先からハリスを少し残して(飲み込んだ仕掛けが残っている事を後に識別する為)切り、残ったハリスに素早くカン付きフックを結ぶ方が手返しが早いからです。 インプルーブドクリンチノットなどでしっかりと締める事が重要です。 もちろん、こんな事を繰り返してハリスが30㎝以下ほどに短くなった場合は新たにハリスも張り替えます。

「餌編」・・・
 餌は意外と高くつきますが、種類を多く用意する事を勧めます。 前回○○で良く釣れたから・・・・あれだけあれば・・・などと、これまでの結果に執着すると、もちろん同じく好結果になる事もありますが、今一・・・全くダメ・・・なんて事もあります。 あまり釣れない時間帯に隣の筏は爆釣していて、そ~っと使っている餌を伺うと、その餌は購入してこなかった物だったりすると意気消沈です。 釣堀により、季節により、潮により、アタリ餌が変わる事があります。 又、同じ餌ばかりを使用していると魚にも見切られ、飽きられてしまいます。 色々な餌をローテーションする方が釣果を伸ばせます。 又、ローテーションする中からアタリ餌を見つける事が重要です。 潮によっては虫餌が有効な時があります。又、冬季や渋い時は動く餌が有効とも言われます。 海上釣堀のアクセス先にある釣り餌屋さんでは、今や数多くの種類の餌を販売しています。定番の餌はもちろんですが、目先を変える意味などで変わった餌を購入して使ってみるのもいいでしょう・・・。 色や匂いで結果に繋がるもあり、最近では黄色系や赤色系、アミノ酸配合餌が好結果に繋がる事があります。 鯛はもともと雑食なので意外な餌で貴重な1尾を獲れる事があります。 自らで身近にある物で用意したり、ニンニクやカレーで匂い付けしたオリジナル餌が貴重な1匹に繋がる事もあります。 私の知人が結果に繋げた変わった餌として、プチトマト、みかん、たくわん、色付け匂い付けしたささみ、自らイワシをミンチして作った団子、金魚、稚鮎、採取したザリガニなどです。 又、青物用の餌は、餌として購入すると高くつきます。 地元のスーパーの海鮮コーナーに、本来は人が食すもので餌で使えそうなものが安価で売られている事があります。 餌は道中の餌屋さんで購入するもの、と思い込んでいる方は、近隣のスーパーに買い物に行くと発見があるかもしれません。 又、筏の外で釣った雑魚をそのまま筏内に放り込んだらいきなり青物が食って来た例もあります。 但し、色々と試行錯誤しても無駄餌となるリスクの方が高いのが現実ですが、貴重な1匹に繋がったり、皆が全く釣れていない時間帯に自ら用意した自らだけが持つ餌で釣れる事もあり、そんな時は気持ちが良いものです。 又、釣堀によってアタリ餌が異なる場合もありますので、その釣堀の傾向をつかむ事も重要です。
ちなみに私はシマアジ、鯛狙いでは団子を基本としています。 生ミック、イワシ団子をメインとして、黄色団子やバラケ団子など、他アマエビ系やシラサ、これらをローテーションします。 青物狙いではカツオ、キビナゴ、イワシなど死餌がメインで活きアジは使いません。 その理由は、皆が活きアジを使用するのでお祭りする事を避けたい、ただそれだけです。 活きアジを使用する場合はハサミなどで胸ヒレ、尾ヒレを少しカットしてやると、お祭りを招くような広く泳ぎ回る事が抑制できると共に、ヒレのカットにより、そのギコチナイ泳ぎ、弱ったベイトを演出して青物の口を使わす事につながります。

 

「棚編」・・・
 棚も重要なファクターです。 三重県を中心とした多くは筏の網の規模から概ね8mが基本のようです。 福井のFL日向は最も大きな網を使用しており、11~12mが基本で、より深い所から引きを楽しめます。 ワラサ系などは中層を回遊していたり、シマアジも季節・時間帯によって棚が異なります。 その時釣れている棚を情報収集する事が重要で、わからない場合は予め釣堀の関係者に聞いておくと良いでしょう。 又、市販されている棚取り器を用いて自分の釣り座の最深部を予め計っておくと、根掛かりはもちろん、最深部まで攻める事が出来ます。 開始直後は指示棚よりも浅い所でも食ってきますが、次第に指示棚へ、そして更に深くなっていく事があります。 現在良くアタリがある棚を把握する事と、更には人とは異なる棚を自分なりに探ってみる事も結果に繋げる要素となります。

「釣り座編」・・・
 自分には全然アタリが少なく釣れないのに、すぐ隣の人は良く釣れる・・・こんな事、その逆もあります。 季節、潮の流れの変化による多少の違いはありますが、基本的に海上釣堀には魚が良く集まる場所や青物が回遊する場所に偏りがあります。 したがって、腕以前に第一に釣り座によって釣果に差が出てしまうのが現実です。 ある程度通い慣れた釣堀になれば、その傾向、すなわち良く釣れる釣り座が見えてくるはずです。 しかし、そこは仲間同士であれ、他の人と一緒であれ、必ずしも思い通りの釣り座を確保出来るとは限りません。 特に他の人たちと一緒に入る場合は筏に入る前に抽選クジを引いて釣り座を決める釣堀が多いと思います。 良いクジが引ければ幸いですが、逆に悪いクジになる事も当然あります。 結果、魚からのアタリが薄い釣り座となりボウズなんて事もあるのです。 このような結果にならないよう、例え釣り座が悪くても浮き仕掛けで他の人の迷惑にならない程度で、なるべく釣れている場所の近い所に磯用の浮きなどを用いて餌を落として固定するなどの手段を考える必要性もあります。 やはり、お勧めするのは海上釣堀仲間を集って筏を貸切る事です。 そこは仲間同士、釣れていない人は良く釣れている人の釣り座の近くで釣らせてもらえば良いのです。仲間で貸し切ったのですから、誰かだけが良い思いをして、誰かは面白くない、は如何でしょう。 結果的にはどうしても差が出てしまいますが、仲間皆で楽しみたいものです。 それに、貸切はそれなりにコストもかかりますので、仲間全員で協力して1尾でも多く釣った方が最終的には良い事と思います。

「テクニック編」・・・
 浮きを使うか使わないか? ビギナーは使うところから入った方がアタリが目視で解るので良いと思われますが、ある程度習熟してくると浮きを使わず、竿先から手元でアタリを感じ取りたいのが正直なところですし、手慣れてくると少しプライドも持って「素人じゃあるまいし浮きなど無くても」なんて気持ちもあるでしょう。 しかし、浮きを使った方が有利な事も時にあります。 まず、竿先より遠くに餌を落として固定し、広範囲に攻められる有利さがあります。 他、風がある日や波がある日に有効な時があります。 ミャク釣りに反応無く、浮き仕掛けだけにアタリがある事もあります。 他に繊細な浮き仕掛けを用いると、手元や竿先に現れないアタリを拾ってくれる事もあります。「浮き仕掛けは素人の釣り」などという概念があれば改めた方が良いと思います。 浮き仕掛けには浮き仕掛けのメリットもあり、釣果を伸ばせる時もあります。 又、青物を狙っている場合の活き餌を使用している時などは個人的には浮き仕掛けの方が良いと思います。 手持ちで狙っている人に良く見かけるのは、早合わせのバラシです。 これはまだ活き餌をしっかりと食い込んでいないのに、一気に竿先を曲げるアタリに反射的に早合わせてしまう光景を良く見かけます。 もちろん、手持ちでアタリがあっても十分溜めてから合わせられる、これらを十分に理解して実践出来るエキスパートならいいのですが、浮き仕掛けであれば、浮きが沈み込んでも少し待ってから合わせる、すなわち目視の判断でグッと溜めて合わせのタイミングを計り、早や合わせのバラシを削減出来ると思います。
 手持ちのミャク釣りで鯛などを狙っていて、アタリがあってきちんと合わせているつもりだけどよくバレテしまう・・・。 こういった時は食いが浅い傾向にあると判断します。 単に食いが渋かったり、或いは魚が餌に警戒している時にありがちです。ここでバラシてしまうと更に活性が下がりますし、数少ないチャンスをものに出来ない事になる訳ですから、こういった時は一工夫して確実なるキャッチに持ち込みたいところ、その方法として、竿先から手元に小さなアタリを感じたなら、すかさず竿先を少し下げてラインの張りを緩めます。 これによりテンションフリーになった餌に魚が警戒を緩めて咥え込んできます。 竿先を下げた後にもアタリが続いたなら、迅速に合わせれば確実に喰わせてフッキングへと改善されるはずです。 とにかく、バラシてしまう事は筏全体の活性を下げてしまう事に繋がりますので、筏内のメンバーにまで影響を及ばせないよう、バラシを避けるように努力すべきです。
 アタリが遠のいた・・・アタリが最も出易いタイミングは餌が棚に到着した時点から落ち着いた時点までのひと時と思います。 落下してきた餌に魚が最も興味を示し、咥え込んだり、少し警戒して突いてみたり・・・。 もちろん、しばらく棚に置いていた餌に通りすがりの魚が不意に食う事もあるとは思いますが、水中の中では前者が最も多いと思います。 餌を棚に落としてもしばらくアタリが無い・・・そのままにしていても良い方向へと改善されません。 そんな時は「誘い」を入れる事です。 ロッドをゆっくりと上げて、又下ろしたり、或いはロッドを横方向へゆっくりと振って餌を左右に動かしたり・・・移動する餌に喰らいついてくる事があります。
 筏全体が食い渋りで静かになった・・・アタリが最も出るのは開始直後の朝一と放流後が一般的、状況が良い時にはこれ以外でもポツリポツリと釣れ続ける事もありますが、必ずや筏全体的にアタリが遠のく時間帯は付き物です。 又、貴重な小さなアタリがあっても続かない・・・など、完全に渋い状況に陥った、こんな時は重りを付けない仕掛け、いわゆるフカセ釣りで狙ってみます。 手持ちであればロッドはソリッド穂先を常備したもので、仕掛けは重り無しで道糸とハリスを丈夫なサルカンで連結します。 ハリスは細めの物を用い針も小さ目の物を使用します。 餌はその日に食いの良い団子餌などを付けます。 あとは、餌の重さだけで自然落下させて棚に到達させる釣りとなります。 更に一工夫するならば、針に団子を付ける際に団子を少し平たく潰す事で、落下時の抵抗が大きくなりゆっくりと落下するようになります。 これによりゆっくりと魚に餌を見せて興味を向ける訳です。 重りによって強制的、且つ不自然に落下する餌より、自然に落下する餌の方が魚の警戒心を和らげる事となります。 少し渋くなった状況下でも、魚たちはまだお腹を満たして無く本当は食べたい、しかし目の前の餌は怪しい物ばかりと警戒している時であれば、より自然に落下する餌には反応する可能性があります。 餌が自然に落下するように少し先行気味でラインを送り出しますが、この時、必ずラインを確認しながら送り出します。 何事も無ければラインは一定速度で沈んでいきますが、突然スッとラインが走ったり、止まったりした時は落下途中で魚が餌を咥えたサインです。 沈んでいくラインに変化があった時には速やかに合わせを入れればもらったものです。 又、落下中に何事も無くても、餌が棚に到達した直後から落ち着いた時点でアタリが出る事があります。 しばらく待ってもアタリが無かったなら、ロッドをゆっくりと持ち上げて再び落とす事を繰り返す事でアタリが出る事もあります。 それでもアタリが出ない場合は、餌が違うか、魚がそこに居ないか、完全に活性が下がってしまったかのいずれかでしょう。 同じフカセ釣りでも、団子の重さで丁度立つ抵抗の少ない繊細な浮き仕掛けでも有効となります。 浮きを付けるメリットは、竿先より遠くを攻められる事と、手元でとれない浮きに出る小さなアタリを拾って結果に繋げられる事です。 こちらも、浮きが立った直後から落ち着いた時点でアタリが出る事が多いです。
 表層から中層に魚の群れが見えている・・・季節や時間帯によって肉眼で確認できる棚にシマアジが群れて泳いでいる事があります。 これを結果に繋げるには前記のフカセ釣りで「サイトフィッシング、すなわち見て釣る事で結果に繋がる事があります。 回遊している付近に餌を自然落下させると、興味を示した魚が餌を口先でつまむ事があります。 この瞬間を見逃さず合わせます。 この瞬間はロッドにもラインにもアタリとして出ません。 とにかく目で見て合わせる釣りとなり、うまくいくとシマアジを数匹釣る事が出来ます。 又、目視でギリギリ確認出来る水深で青物が群れで回遊する光景に出くわす事があります。 この時、青物の動き方がとても重要で、単にのんびりと回っている時は活性は悪い状況で結果に導くには厳しい状態、しかし、躍動感ある動きであったり、時々ギラッとしながら回っている時は結果に導ける可能性があります。 回遊している棚より少し低い棚にキビナゴやイワシなどの餌を置き、時々誘ってやったりすると不意に喰らいつく事があります。
 青物をヒットさせると他の青物が付いて追ってくる・・・こんな光景を見た事があると思います。 他の人はお祭りしないように仕掛けを上げるのが本来ですが、実はこういった時は青物の活性が一番上がっている絶好のチャンスです。 ヒットしている青物が疲れてきた時、ヒットさせている人はあまり筏内を走られないようにやりとりします。 同時に他の人が餌を落とせば、付いて回っていた他の青物が喰らいついてきます。 とにかく筏のメンバーのチームワークが重要となります。 但し、付いてくるのはワラサ系でカンパチやヒラマサのヒットでは単発になりがちです。 又、引きによって青物の種類も判断でき、横方向、筏内をかき回すような引きはワラサ、下に強く引くのはヒラマサの特徴です。 ただし、最近は海上釣堀運営側も工夫をしているようで、追い食いで爆釣に繋がる可能性があるワラサを避け、カンパチやヒラマサを中心に入れているようです・・・。
 最後に・・・おそらく、このページを全て読んで頂いた方は、海上釣堀を始める方、又は更にテクニックを向上させたい、と考えている方と思います。
私の周りには海上釣堀に頻繁に行くプロ級の方もいて、当然ながら私はその人には及びません。 まだまだ研究途中の状態におけるテクニックの紹介ではありますが、ここに記載した内容を参考として、次回の釣行で例え1匹でも結果に繋がり納得頂ければ幸いです・・・・・。

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